平成29年度農林水産省6次産業化ネットワーク活動交付金給付事業
6次産業化インターンシップ実践研修 開催報告
1.事業の目的
特定非営利活動法人 FOOD’S 北海道発進本部が主催する「北海道・食の地域創生リーダー養成塾」は、6次産業化によって新たなビジネスを創出、あるいは支援できるプロデューサーやリーダーを養成するための“北海道発”の育成研修機関である。その基礎研修講座を実施するにあたり、内閣府が創設した「食の6次産業化プロデューサー検定」の教育機関として2016年
12月1日付で認証を受けている。基礎研修講座を平成28年度から開催し本年度中には100名を超える修了者を輩出する予定である。
6次産業化の中心に位置する農業生産者は、消費者から求められる「安全・安心」な農産品の安定供給の責任を果たしながら、6次産業化に取り組むことに不安を感じながらも強い期待と可能性を求めて推進している。
このような状況に鑑み我々は、農業生産現場で農業生産者が直面している問題を解決するための行動が、同時に6次産業化の事例として評価されるような
「問題解決のためのカリキュラム」を提案して6次産業化の普及に寄与したい と考え、平成29年度6次産業化ネットワーク活動交付金事業を推進してきた。
2.事業の着手及び完了日
着手 平成29年6月6日 完了 平成30年3月28日
3.研修項目
①生産管理研修(平成 29 年 6 月 24 日(土)9:00~17:00
②ケーススタディ研修(平成 29 年 7 月 26 日(水)9:00~17:00
③流通視察研修(平成 29 年 8 月 26 日(土)9:00~17:00
④加工インターンシップ研修(1)平成 29 年 11 月 13 日(月)~17 日(金)
⑤加工インターンシップ研修(2)平成 30 年 1 月 22 日(月、23 日(火)
⑥市場調査研修(平成 30 年 1 月 30 日(火)、31 日(水)
⑦販売インターンシップ研修(平成 30 年 2 月 15 日(木)~21 日(水)
⑧6次産業化インターンシップ実践研修報告会(平成 30 年 2 月 23 日(金)
第1回 農場生産管理研修
1.日 時 平成 29 年 6 月 24 日(土) 9:00~16:30
2.参加者数 21名
【講座の目的】
農林水産省は、2020 年の東京オリンピックで使用される食材について、国際的な安全基準で生産された食材の提供を求めている。
そして農業生産者に、国際基準として認知されている「GLOBALGAP」や「AS IAGAP」及び「JGAP」の認証取得を推奨している。
この講座は、「GAP」とは何か!「導入の目的」「管理点と適合基準の考え方」「導入手順」について基本的な知識を身に付けることを目的に実施した。
(1)第一部 JGAP とは何か?JGAP の基本を学ぶ
会場:エルプラザ
講師:株式会社北海道有機認証センター澤井 潤子氏(JGAP 上級審査員・判定委員)
講義 グローバルGAP
グループ研修
グループ発表 講師総評
(2)第二部 ヴェール農場の JGAP の取り組み
会場:ヴェール農場
講師:ヴェール農場代表 坂東 達雄氏 (江別市角山、札幌市丘珠)
ヴエール農場 即売所 農場研修
加工場 GAPは整理・整頓が基本 床には直接置かない
GAP懇談会 記念写真
第 2 回ケーススタディ研修
日 時 平成 29 年 7 月 26 日(水) 午前 9:00~17:00
参加者数 19 名
【講座の目的】
農商工連携の成功例として紹介された、農業生産者が初冬蒔き小麦「ハルユタカ」を製粉業者が「粉に加工」し、それを「ラーメン」に加工・商品化した製造業者が大手3社の一角を占めるまでに成長した。
その実際を開発当初から「江別ブランドラーメン」の開発に携わってきた「片岡農園」
「江別製粉」「菊水」の経営者が三位一体となって取組み、全国区まで成長させた秘策を学ぶことを目的に開催した。
(1)第一部 事例から学ぶ農商工連携事業について
於:江別市民会館 21 号室
「基調講演」(9:00~10:00) 北海道情報大学 経営情報学部
先端経営学科 講師 遠藤 雄一氏
「パネルディスカッション」 事例検証報告
(コーディネーター) 遠藤 雄一
(パネリスト) ・片岡農園 江別麦の会会長 片岡 弘正氏
・江別製粉(株) 代表取締役会長 安孫子 建雄氏
・(株)菊水代表取締役社長 杉野 邦彦氏
(昼食)江別市民会館食堂 江別産小麦麺ハルユタカを使用した「江別小麦麺」を中心に、地場産品を使った多彩な創作メニューを各自が食した。
(2)第二部 視察研修
①13:00~14:00 片岡農園(ハルユタカ農場)を現場視察
②14:30~15:30 江別製粉工場視察③16:00~17:30 菊水工場視察
麺粒 麺帯 麺線
第3回流通視察研修(由仁町の6次産業化事例に学ぶ)
日 時 平成 29 年 8 月 26 日(土) 午前 9:00~17:30
参加者数 13 名
【講座の目的】
この研修は、農産物流直売所や観光農園から情報を得ることで自らが6次産業化に取り組むうえで、自社の優位性やPRの方法を把握し、東武トップツアーズとの連携による食と観光の連携の可能性をさぐることを目的としている。
*人口の少ない町は、外部から人を呼ぶための道具を持つことである。
由仁町は、東武トラベルツアーズと長年に亘って提携しており、「ゆにガーデン」を中心とした集客に加え農産品を加工した6次産業化の高度化を図っている。
それは、観光業と集客施設をグリーンツーリズムを融合させた、まさに地産来消戦略を実現させたものである。また、由仁町は、近隣4町村と広域連携を図っている。
第一部 6 次産業化事例視察 9:15~11:45
①9:15~10:00 長嶋しいたけ農園視察(オーナー:長嶋 正義氏)
②10:15~10:30 KALAMA CAFÉ 視察(オーナー:横井 康弘氏)
③10:45~11:45 工房 しんや視察(オーナー:新屋 礼子氏)
④12:00~13:00 昼食・休憩
*ゆにガーデン(地元野菜のランチバイキング)
第二部 講演「コミュニティビジネスとしての6次産業化」
講師:佐藤 隆氏(NPO法人北海道ふるさと回帰支援センター理事長)
第三部 ディスカッション(6次産業化について)→司会:村田 豊
(出席者):敬称略
・由仁町産業振興課 納口 浩昭、主査 関澤 和之、主査 若林 貴彦地域活性課 主査 大友 将史
地域おこし協力隊 今 尚章、黒川 真奈美
・由仁町移住交流支援センター センター長 橋本 直樹
・ユンニの湯 営業マネージャー 山口 伸吾
・ゆにガーデン 副支配人 大和 力
・東部トップツアーズ(株)札幌支 支店長 猪倉 潤二、係長 高瀬 道和
・東部緑地(株)支配人 西村 宏一郎、北海道事業室 室長 大西 明人
(由仁町の皆様との懇談会)
6次産業化の5つの課題 ゆにガーデン
第 4 回加工インターンシップ研修①
日 時 平成 29 年 11 月 13 日(月)~17 日(金) 午前 9:00~17:00
参加者数 11 名
場 所 江別市・食品加工研究センター
講 師 拔山 嘉友氏(北海道・地域と食のプランナー)講師助手 西川 和恵氏
アドバイザー 富永 一哉氏(食品加工研究センター主任研究員)
【講座の目的】
農業生産品は天候に左右されるなどのため、規格外品、余剰品などの発生に苦しんでいる。発生した規格外品、余剰品は、その多くは廃棄され又は捨て値で取引されるなど農業生産性を著しく低下させている。
我々は、これが対策として規格外品、余剰品を有効活用するために、ペースト、ピューレ、パウダー、ミンチ、ソテー、スライスなど「半製品」として付加価値をつけることが農業生産者の生産性を大きく向上することを期待している。
このような目的を達成するために、農業生産者、農業者の協力者を対象に、「半製品」の加工方法、加工技術、及び保存方法等を実践することを目的としている。
2.研修内容
①シンク、加工機器の洗浄、加工機械の特徴、操作方法
②加工機械の操作実習
③加工実習
④加工実習
⑤加工機械の洗浄実習
3.「「半製品」加工
①リンゴペースト
②トマトピューレ
③いちごペースト
④かぼちゃ・馬鈴しょ(ペースト、パウダー)
⑤玉ねぎミンチ、ソテー、スライス
第 4 回インターンシップ研修実習写真
(第 1 部)総合研修 講師:拔山 嘉友氏(北海道・地域と食のプランナー)
・食の安全・安心なモノづくりの考え方と取り組み方
・食品の安全性と衛生管理
・ハーブ利用商品開発の例
・野菜加工の例
・HACCP など
(第 2 部)加工実習(玉ねぎ、馬鈴薯、かぼちゃ、りんご、トマト、いちご)
①洗浄・皮むきなどのしたごしらえ(玉ねぎ、トマト、イチゴ)
拔山講師挨拶 玉ねぎ洗浄
下ごしらえ 馬鈴しょ洗浄
かぼちゃの裁断 硬かった リンゴの洗浄
たまねぎ いちご冷凍
とまと いちご
②かぼちゃ、馬鈴しょの下ごしらえ
(蒸かしたかぼちゃの温度測定) 乾燥機
玉ねぎのミンチ
ロボクープ(容器の中にカッター刃を回転させ、切り刻む、粉砕、入荷、捏ねる)
(袋詰め)
シーラー(開口部密封)
イチゴペースト(解凍後) (ロボクープ) (糖度測定機)
hp測定機 (袋詰め)
スライサー(みじん切り、かつらむき等) 玉ねぎ
(乾燥機) 乾燥後
とまとのへた取り トマトの湯むき
とまとの粉砕
りんごを乾燥機へ(紅玉・ひめかみ)
りんごの粉砕
トマトピューレ りんごペースト 馬鈴しょペースト(温度計)
玉ねぎ、かぼちゃ、馬鈴しょを乾燥機へ 乾燥後
乾燥かぼちゃを粉砕機へ 粉砕後 乾燥馬鈴しょを粉砕機へ
かぼちゃと馬鈴しょのパウダー りんごペースト(凍結)
たまねぎ(凍結) りんごペースト(凍結) かぼちゃ・馬鈴しょパウダー
シーラー(開口部密封) 真空包装機
(ペースト等を使用した加工実習)
完成した「半製品」(みんな頑張りました)
最後まできれいに! 拔山講師終了挨拶
(記念写真)お疲れ様でした!
第 5 回加工インターンシップ研修②
日 時 平成 30 年 1 月 22 日(月)~23 日(火) 午前 10:00~17:00
参加者数 10 名
場 所 江別市:食品加工研究センター
メイン講師 森 伸司氏(ケーク・デ・ボア代表)
進 行 拔山 嘉友氏(北海道・地域と食のプランナー)
【講座の目的】
加工インターンシップ①で実習した「半製品」を使用して、食品加工機器及び設備を用いた実践的な技術研修により、農産物の高付加価値化や規格外品の有効活用手法を学ぶ。また、製造に係る機器の取扱いや加工プロセスの体験を通じ、原料の特性に基づく加工方法の開発や安全で高品質な製品づくりの基礎技術習得を目的とする。
1.森ケイン講師、拔山プランナー挨拶
2.食材と加工用途(プログラム)
・焼きリンゴペースト(食材) |
パート・ド・フリュイ(加工用途) |
・いちごペースト |
メレンゲ、パート・ド・フリュイ |
・トマトピューレ |
フロランタン、パート・ド・フリュイ |
・玉ねぎミンチ・スライス・ソテー |
キッシュ |
・かぼちゃペースト |
かぼちゃのタルト、パウンドケーキ |
・馬鈴薯ペースト |
パウンドケーキ |
3.加工研修の実践
第 6 回市場調査研修
日時 |
平成 30 年 1 月 30 日(火)~31 日(水) |
午前 10:00~17:00 |
会場 |
ロイトン札幌 |
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主催 |
(一社)北海道食品産業協会 |
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参加者数 15 名
【講座の目的】
開発した「半製品」の消費者ニーズや市場規模をリサーチする方法を具体的に学ぶことによって、市場性・優位性・新規性を確認することによって、「半製品」の商品化への戦略を学ぶ。
1.アンケートの実施
バイヤー及び加工食品メーカー等が「半製品」及び焼菓子等の「商品」に対し どのような反応を見せそして販路の拡大の可能性探るためアンケートを実施した。その結果は、別紙の通りである。
想定した以上の評価であり、すぐに商談に入りたいと申しでるバイヤーもあるなど
2.会場の状況
メインブース 懇談会場
試食を進める研修生 懇談会場での説明
みんな一生懸命です
仲間も出展しました
お疲れ様!みんなで記念撮影です
第 7 回販売インターンシップ研修
第一部 基礎研修
日 時 平成 30 年 2 月 15 日(木)16 日(金) 午前 09:00~17:00
場 所 かでる2・7参加者数 15 名
【講座の目的】
札幌市内で地域ブランドの「アンテナショップ」機能を持つ、「どさん子プラザ」及び丸井今井の「きたキッチン」の店舗で販売店員を経験することで、「売ること」の難しさを知り、消費者目線での商品開発の大切さを学ぶ。
また、商品を販売するために必要な販売管理、商品の基本陳列、顧客の接客方法など知識の基本を学ぶことが目的である。
講 師 加藤 義一氏(現場食品販売指導者) 9:00~12:00場 所 かでる2・7
レ ジ メ [Ⅰ]販売業とは?且つ、実行のための販売計画
①販売計画作成のポイント
②販売計画達成のための、販売企画の重要性
[Ⅱ]販売実績の「分析評価」と「市場調査」
①分析手法と商品分類の必要性
②調査方法の種類と指針の方向
[Ⅲ]商品の「基本陳列と方法」「陳列のポイント事例」
①陳列は、お客様目線から考える
②買い易く、選び易く、分かり易い陳列で、商品情報や演出で訴求の強化を図る。
③商品特性、商品管理に適応した陳列什器を使用
[Ⅳ]接客の「具体的行動」と「具体的レジ業務」とは?
①接客サービスとは?
②一般的なレジ業務
[Ⅴ]販売促進の「売場作り計画」と「プレゼンテーション」
①基本的な売場作りのプロセスとは?
②売場展開で重要な「売場プレゼンテーション」
[Ⅵ]セールスマンとなる商品の「パッケージ」と「ネーミング」
①パッケージデザインの目的と機能
②ネーミングの目的と役割
③パッケージ(写真事例)
[Ⅶ]「売場管理のポイント」と「仕入・在庫・品質の売り場運営」とは?
①売場管理とは?
②仕入・在庫・品質の「売場管理」とは?
[Ⅷ]「バイヤーの役割・責任」と「販売促進」とは?
①BYの役割と責任とは?(MD・BY)
②一般的なBYの仕事は?
③小売業の販売促進には2つある
④アウトストアープロモーション加藤講師の講義状況
第二部 販売インターンシップ研修
日 時 平成 30 年 2 月 17 日(土)~21 日(水)場 所 (ア)北海道どさんこプラザ札幌店
1班:8:00~12:00 2班:12:00~16:00
(イ)(株)札幌丸井今井 きたキッチンオーロラタウン店
1班:09:30~14:00 2班:14:00~18:00
(ウ)(株)丸井今井 きたキッチン新さっぽろ店
(イオンカテプリ新さっぽろ地下1階)
1班:09:30~13:30 2班:14:00~18:00
第8回6次産業化インターンシップ研修シンポジウム
日 時 平成 30 年 2 月 23 日(金)14:00~17:30場 所 札幌市教育文化会館
参 加 者 60名
【講座の目的】
この講座は、一つは長期間にわたって頑張りぬいた受講生に出席率に応じた修了証及び精勤賞を贈呈して努力に報いること。もう一つはインターンシップ最後の締めくくり講座として、松井 博和運営委員長(北海道大学名誉教授)による「科学技術と北海道の未来」(6 次産業化推進のための人材育成について)の基調講演があり、引き続いて5名のパネラーを交えてのパネルディスカッションを行った。
第一部:報告会及び修了証授与式
○全20講座で 5 割以上の出席者8名に修了証を授与した。
・有光 志穂さん |
・名畑 武 蔵さん |
・眞野 織絵さん |
・本間 中 さん |
・三師 優美さん |
・山﨑 優 さん |
・板谷 昌慶さん |
・原野 知有紀さん |
-
8 割以上の出席者4名には精勤賞を授与した。
・板谷 昌慶 さん |
・本間 中 さん |
・山 﨑 優 さん |
・原野 知有紀さん |
修了書授与 精勤賞授与
第二部 基調講演 (14:30~15:30)
テーマ 演題:科学技術と北海道の未来「6次産業化推進のための人材育成について」講 師 北海道大学名誉教授(食の地方創生リーダー養成塾 運営委員長)
参加者 60名
基調講演:松井 博和氏
第三部 6次産業化の未来パネルディスカッション (15:00~17:30)
コーディネーター | 松井 博和 氏 | (北海道大学名誉教授) |
パネラー | 阿部 茂 氏 | (酪農学園大学教授) |
竹林 孝 氏 | (公益財団法人北海道農業公社理事長) | |
林 朋子 氏 | (コープさっぽろ理事) | |
藤田 惠 氏 | (十勝スローフード(株)代表取締役社長) | |
中橋 賢一 氏 | (NECソリューションイノベータ(株) |
松井博和コーディネーター |
パネルディスカッション |
ありがとうございました。
FOOD'S北海道発進本部への寄付
「北海道・食の地域創生リーダー養成塾」の運営に係わる寄付金は、特定非営利活動法人 FOOD’S北海道発進本部を「指定団体」として札幌市へ寄付をすれば、 法人税が免除になります。
本事業の趣旨をご理解頂きまして、寄付金について特段のご高配を賜りますようお願い申し上げます。
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私たちの考えを応援しようと、41名の人が集まってくださいました。
その会の名前を、“FOOD’S北海道夢サロン”といいます。
私は、その輪を全道に呼びかけたいのです。みんなで農業を基軸とした北海道の未来に向けて立ち上がりませんか!
食Pro.の認定・育成システム(段位認定)
この養成講座は、食の6次産業化プロデューサーキャリア段位制度の
導入支援策として、国の国家戦略検定に位置付けられており、
厚生労働省の労働局又はハローワークが窓口となっております。
食の6次産業化プロデューサーキャリア段位制度の詳細はこちらになります。