【はじめに】

観光地域ブランドの展開が注目されたのは、かつてなかったことである。

全国の市町村がこぞって観光と地域資源を切り口とした地域創生策を計画しているのである。地域資源を加工すれば全てが上手く行くものではない。「地域ブランド商品」が競合都市との差別化が出来ているのか、ターゲットとする市場や顧客が求めているものなのかなど、解決すべき課題は多い。これが解決を図り地域資源と観光資源のブラッシュアップを図って観光地域コーディネートを行うためには、「観光地域マーケティング」の専門的スキルを持った「観光地域コーディネーター」の存在が成否を分けるポイントになるであろう。

私は、プロデューサー的感覚を併せ持った「観光地域コーディネーター」が「知識と知恵」を十分に発揮できるような人材を育成して地域の活性化に貢献したいと考えている。

具体的には、事業化を推進するためのツール「コトづくり」「モノづくり」「場おこし」の仕組みを実践してもらうことである。そのための出張講座の概要を紹介したい。

【Ⅰ】我が国の人口事情と交流人口の重要性

1.観光振興策が重要になって来た背景

 *わが国では、少子高齢化時代を迎えて、人口減少が顕著になり地方の過疎化に歯止めがかからない危機的状況にある。政府も海外向けのインバウンド政策に力を入れ、

  1. 交流人口の増大を図るために戦略的に、ビザの緩和、免税制度の拡充、航空ネットワークの拡大などの施策を講じている。
    その結果、2012年に訪日外国人旅行者数が、836万人であったものが、平成15年には1974万人に約倍増となった。
    2020年には、4000万人を目標とし、2030年には6000万人を目指している。(2015年の約3倍)
  2. 観光資源の魅力を極め、「地方創生」の礎にしようと、地域に眠っている文化財を観光資源として開花させるために、滞在型農山魚村を形成する方針を打ち出した。
  3. 観光産業を革新し国際競争力を高めて我が国の基幹産業に押し上げるために、観光経営人材の育成・強化を図り、世界水準のDMOの形成・育成を目指している。
  4. 「観光地再生・活性化ファンド」(仮称)の継続的な展開によって計画的な観光まちづくり対策を図る。
  5. 全ての旅行者が、ストレスなく快適に観光を満喫できる環境づくりの為に民間のまちづくりによる「観光・まち一体再生」の推進を図るなど

*これらの政策は、地方に観光資源のブラッシュアップを図ることによって、海外を含めた交流人口の増大を図って、地域の活性化につなげるために掲げた観光振興戦略である。

2.観光産業の経済波及効果

  • 観光産業の経済波及効果が高いことは誰もが認めるところであったが、これまでの観光は、観光関連業者がツアー客を各地の観光施設に案内し、一握りの観光事業者がそれを支え恩恵を享受してきた。
    しかし、個人のライフスタイルが多様化し、旅行のスタイルも多様化してくると、観光における経済効果も多様化することになり、「食べる」「買う」「体験する」そして「集う」「交流する」観光としてその波及効果は地方にまで及ぶことになった。
    即ち、過疎化に悩む地域にとって、観光が活性化対策にとって大きな力となり地域の観光資源が注目されるようになったのである。
  • 地域資源と観光の連携による地域活性化を推進するためには、経済波及効果が広く行き渡るための仕掛けづくりがポイントになる。住民が一体となった「観光地域マーケティング」力の向上が必要条件であり、それを推進する人材の育成が急務となってきた。

3.観光地域マーケティングの考え方

  1. 全世界、日本国内から自分が住んでいる地域に集客を図るためには、ターゲットを想定した顧客満足度をあげる活動が基本である。
    即ち、場所、年代、性別、ライフスタイル、所得、趣味、嗜好などそのターゲットをクロス分析により見出し実行していくことである。
  2. 観光地域の活性化事業は、その取り組みの成果をPDCAによって評価(チェック)を必要とする。テーマを明確にして、観光客の行動パターンや入り込み数、そして経済波及効果の数値化をすることによって現状を知り、あらゆる対策のブラッシュアップを図って成長を持続させることが重要である。補助金頼みはもうやめて地域が自立することが真の活性化対策に求められていることである。

【Ⅱ】地域ブランドの確立と他地域との差別化

*地域ブランドの確立とは、地域そのものの「エリア・アイデンティティ」=地域ブランドの確立であり、

  • 地域のブランドイメージを向上し、広くモノやサービスが売れるという経済効果を生み出すこと。
  • 地域住民にとっては、地域に対する愛着や誇りを生み出し、地域の活性化に繋げる意欲を醸成する。  
  • 地域特産ブランドのアイデンティティ確立は、ある特定地域が有する歴史、文化、自然と特産品や伝統工芸品、工業芸術など、地域固有の風土を活かして生み出された他の地域とは異なる独自のブランド価値の確立といえる。

【Ⅲ】「場起こし」「コトづくり」「モノづくり」「場興し」の実践

*地域の活性化策にとって、最も重要なことは、住民が一体となった街づくりを推進することであり、そのための仕掛けを考えることである。
 その仕掛けを順次実行していく過程で、住民が一体となりその結果が活気となって地域に帰ってくることが目標である。
 その仕掛けこそ我々が「観光地域コーディネート」として実践してきたことであり、「場起こし」「コトづくり」「モノづくり」「場興し」に他ならない。

地域おこし出張講座・現地視察懇談会の開催について

前述の通り、事業化を推進するためのツール「コトづくり」「モノづくり」「場おこし」の仕組みを実践してもらうための特別出張講座を、希望する北海道179の市町村を対象に開催します。

地域おこし出張講座の開催要項

対 象

市町村で単独又は連携可能な周辺市町村を含めてリーダーとして活躍出来る人材で、主催者が推薦する方。
自治体、関係団体、関係企業、住民等から10名以上推薦願います。

地域おこし講座の進め方

(1日目)

  • 現地視察 10:00~12:00 
  • 地域おこし講座 13:00~14:30
  • 実践研修講座 14:15~16:00

(2日目)

  • グループ研修 10:00~12:00
  • グループ発表 13:00~14:00
  • 総評 14:00~14:15
  • 修了証 14:15~14:30

地域おこし開催費について

●この講座は、一泊二日の日程で開催します。

●講師2名の謝金(一人50,000円)、交通費・宿泊費は主催者がご負担願います。

●開講期間:令和3年は10月~11月迄3回開催の予定です。
     :令和4年は04月~11月に希望する地域は予約願います。

※お申込みは、FAX又はEメールでお願いします。

FOOD'S北海道発進本部への寄付

「北海道・食の地域創生リーダー養成塾」の運営に係わる寄付金は、特定非営利活動法人 FOOD’S北海道発進本部を「指定団体」として札幌市へ寄付をすれば、 法人税が免除になります。
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FOOD'S北海道発進本部への会員登録

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その会の名前を、“FOOD’S北海道夢サロン”といいます。
私は、その輪を全道に呼びかけたいのです。みんなで農業を基軸とした北海道の未来に向けて立ち上がりませんか!

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食Pro.の認定・育成システム(段位認定)

この養成講座は、食の6次産業化プロデューサーキャリア段位制度の
導入支援策として、国の国家戦略検定に位置付けられており、
厚生労働省の労働局又はハローワークが窓口となっております。
食の6次産業化プロデューサーキャリア段位制度の詳細はこちらになります。

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